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Classical Homeopathy

クラシカルホメオパシー

京都の菜食料理のお店で開催された「ホメオパシー基礎講座」に参加させてもらったのは子どもが誕生して間もない頃。
2014年頃だったと思います。
早くに出産を経験した親しい仲間からはたびたび聞くことのあったホメオパシー。レメディ。
その時は完全に物質社会の中でギラギラしていたから懐疑的だった。

でも女性は出産で本当に人生が新しくなったりするんですね。
今まで当たり前に使っていたものや利便性優先のものに急に目を細めてなんか違うと感じたりする。

その中で飛んできた講座に思いきって飛び込んでみた。
(思いきってというのは大袈裟じゃなく、当時は参加費を高いと感じたのでした。受け始めたら全然安い!ってなったんだけど)
数回受けただけでは全然使いこなすところまでいけなくて、
6回コースや3回コースを何度も受けた。
そして3年位経った頃、ようやく少し使えるようになった。そのくらい慎重でいいと思う。

セルフケアで使う、いわゆる急性症状は、
わかりやすく、驚くほど変化する瞬間を目の当たりにする場合もあります。
でも、我が家にとっての劇的な出逢いはこの後に待っていました。

長男が2歳の誕生日の翌日、
謎の腹痛に見舞われる。生まれてから特に深刻な病気もなく、天真爛漫に育ってきたから、初めてのこと。
便秘かなんかじゃないの、と言っていたけどどんどん痛みは増し、心配になって病院に駆け込んだ。
血液検査で分かったことは、アレルギー性紫斑病だろう、ということだった。
15歳頃までに自然に完治するらしい、それまで我慢するしかないという、いわゆる難病枠の病気。
しかしそれは一般的には、
身体に入ってきたものを敵と勘違いして攻撃し毛細血管から出血して身体中に紫斑ができる、というもの。
身体がだるくなるといった症状はあるものの、基本的には血流を激しくさせないように安静にして過ごせば、回復する、という類の病気。
とはいえ少年少女ともなれば学校があるわけで、その期間(数週間とか)発作のように定期的にくるその時期を病院で絶対安静にして、トイレも車椅子でいく、というような生活のお子さんは勉強など支障をきたすと思う。でももっと軽症なら自宅静養するのかな。。

長男は、紫斑がほとんど出なかった。
その代わりというか特別な症状として、腹部の激痛があった。
その状態になると痛くてぐるぐるお腹を抱えながら七転八倒する。何も食べられない。そして脱水症状に。
だから必然的に、入院して点滴。となる。
治療などない、難病枠だから、痛み止めとしてステロイドを投与するしかない。
その治療?対応?で一旦回復し、退院した。
いやーびっくりしたねーと言いながまた普通の日常へ。
それから1ヶ月ほどして。
また同じ症状。入院。点滴。退院。
そして今度は2週間で入院。点滴。退院。
次は1週間。そして3日で。その次は1日。次は退院したその日の夜中に発作が起きた。

だんだん周期が縮まって、ステロイドが効かなくなってステロイド中毒に陥っていることに気づく。
治ってなんかいない。
難病とは。西洋医学では治せないのだ。
先生方も頭を抱えて、さらに濃度の濃いステロイドを使うしかなかったと思う。これはもはや誰も悪くない。

発症してから、家族で仕事の合間に替わるがわる夜のお泊まりに病院へ行って付き添って。
小さなベッドに大人も一緒に眠る。
過酷だった。何より辛そうな子どもを見るのが耐えられない辛さだった。
そんな状況でも発作の痛みがない時は別人のように元気で。
いつも点滴の管が繋がれた姿にまた胸が痛かった。


そんなとき、親しい友人に紹介してもらったのが
CHK第二期卒業生、ホメオパスのマロンさん。
早々にわざわざ日赤の病室まで来てくださって、数日のうちにレメディを送ってくださいました。
併せてステロイドの排出を促すサポートとなるものなども。

その後自宅で発作が起きたとき、
今までより発作と発作の間が長くなり、徐々に痛みの深度も和らいできているはず、と言われて、確かに。と初めて気がつく。

夜中に発作が起きた時も今までなら、「もうここまできたら救急車呼ぶか救急へ飛び込もう、という判断基準になる感じ」が、確かに緩和されてきていて、なんとか病院に駆け込まなくても耐えられるように。少しずつ。少しずつ。
本当に、微妙なこと。専門家でもない自分がそれを判断するという、、それは初めての体験で結構恐怖を伴う。
その時までに、少しは観察するとか回復の方向とか学んでいたけれどそれでも不安だった。
だから我が家の場合、うまくいった、という感じの方が強い。紙一重。

盲目に依存したり、自分が思考停止したまま観察や判断を蔑ろにしたりしたら(それはつまり怠慢であり、傲慢であり、慢心だと思う)
とても危険だなとも思う。

よくよく観察すること。
まだ2歳だった長男はうまく言葉で伝えることができません。
だからこそ、よくみてあげる。汲み取ってあげられるようにひたすらに観察することが、わたしの唯一のできること。

気がつくと、発作は1月以上でなくなって
1年位でなくなって、ゆっくりゆっくり1年毎に出ていた発作が2年出なくなって。
そういえばこの数年発作が出ていない。今9歳。
使用したレメディは1種類きり。
長期に渡り改善が続いたということ。

通常、緊急や急激に命に関わるような状況の場合、やっぱり救急へ駆け込むのがベターだろうと思う。
その救急病院が、等しくあらゆる医療を網羅したようなところならばいいのに、と。。
ホメオパシーは日本では保険も効かないし、未熟なので受け入れられていない状況があるので
どうしても高額になってしまうし、最初にホメオパシーを選ぶ方は少ないと思うし、
我が家みたいにありとあらゆることを試して藁をもすがる思いだった場合に選ぶものかもしれない。
特に、
こういう激しい痛みを伴う症状を見ていただく場合、どんな分野にしても救急対応というものが必要になります。
それを当時、マロンさんが個人でしてくださったこと。もう感謝しかありません。

唯一日本で信頼されている西洋医学を手離すと、ほとんどの人には理解されず、
まるで広い荒野を痛みもがく子どもとふたりで彷徨うような感覚になり
夜の闇も相まって、心は真っ暗闇なのです。
微かな光を求めて歩く。不安しかない状況。
そこで何度も夜遅くに対応していただきながら、「信じる」(過信や慢心ではないことを忠告いたします)
ことを教えていただいて、その信じる力でなんとか乗り越えられたような気がします。
信じるって、そんな甘くない。
それが本当に信じるに値するのかという判断も含めて親には責任があり。正直壮絶でした。

でも、もう完治したのかも。
4年以上発作が出ていません。(安心は禁物ですが)
本当に細く長く暗くて孤独なトンネルでした。
世間に認められていないというものを取り入れる場合に起こる、こういう状況。


結果的に、夫もこの変化を目の当たりにして意識が変わったと言います。
(とはいえ自分には効いてないと言っていますが)

主婦のお小遣いで出せる初診料じゃないかもしれない。
わたしは働いていたしチャンスに賭けたいと思いました。
緩やかな変化の中で、もどかしいけど待つという親の行為も必要で。

さて、
皆さんはホメオパシーをどう感じられるでしょうか?

また、ホメオパシーには、私たちが受けたクラシカルホメオパシーと
プラクティカルの2種があるようです。
元は同じで、限りなく近いものですが、用法にかなり違いがあり、
わたしが学び信頼しているのはクラシカルホメオパシーの方です。

京都で同じくご自分の病にレメディを通して変化を体験し、創設するに至られた荻野先生が代表を務められているCHK(クラシカルホメオパシー京都)のウェブサイトがありますので、よかったらそちらをご参照ください。
https://www.chk-homeopathy.jp/classical_homeopathy/

わたしは以上の経験から、同じように本当にお困りの方に少しでも届いて欲しい、と思って
まずはセルフケアとしてのホメオパシー講座をボランティアで主催し、先生にお越しいただいて開催させていただいてきました。
その講座は家族のケアをするお母さんが学ぶ家庭の医学的な立ち位置。
プロのホメオパスとは全然レベルの違う、初歩的なもの。

ホメオパスはとても勇気のいるお仕事だと思います。
経験と直感が磨かれた確かな対応というものの難しさを感じます。
なのでわたしはただひたすらに各地でセルフケアを学んで、
長男の難病のことがありホメオパスのセッションを何度も受けさせていただいたことがある、というだけ。
ただホメオパシーに留まらず、自然療法の講座や、あらゆるワークショップなどの企画主催を通して、家族の健康について、自分のできることを模索してきた中で、もっと日本でも裾野が広がればいいなと思う療法です。

また身体の可能性に興味があることから、
アレクサンダーテクニーク、太極拳、ふみふみ楽健法、東条百合子先生の自然療法、こじま瀬術院の自然療法、フラワーバッチ、pipiki、統合ワークなどたくさんのピンとくるものを体験してきました。

その中でも特に、ホメオパシーは
イギリスに国立の病院があったり、海外では保険適用されたりしている療法にも関わらず、
日本では嘘つき扱いされたりしてあまりネットでいい情報が出てきません。

でも、
信じやすい日本人には、その位でいいのかもしれないと感じることもあります。
知って欲しいけど、ホメオパスなら誰でもいいって話ではないし、(厳密にいえば西洋医学も同様な面があるかなと思います。クチコミ見て選びますよね)
レメディ知ってたら万事オッケーってことでもないような気がするのです。

要は、いつの間にか知らないうちに思考停止している日本人が、
再び自分の体と感覚を持って自分の足で立ち、自分の健康について考えることが大切じゃないかなと。

答えはひとつじゃないし、ベストアンサーは自分で選べるように。
たくさんの選択肢があった方が、よくないですか??ってこと。

重曹とクエン酸だけあれば癌も治るとかいう話も耳にしますが
何を信じますか?
歯医者はいらない虫歯は削らなくていいとかいう話も耳にしますが
どう思いますか?

まず、害のないことなら試してみたらいいと思うのです。
薬はよく効く分、副作用も強いから安易に試すものではないし試せないですよね。

おばあちゃんちの裏山に生えている蓬やどくだみ、スギナや枇杷の葉などをお茶にしたり、
ティンクチャーを作るのは試してみる価値あるんじゃないかな、と。
思っているよりも、効果があることに驚くかもしれません。
難病だった当時激痛で眠ることもできなかった息子は病院から貸してもらった電気アンカでは何も変わらなかったのに、
持ってきたこんにゃく湿布をしたらすうっと眠ったのです。。

そういうことひとつひとつ。

この忙しさは本当に必要か?
死ぬまでに本当にそんなにお金がなくては困るのか?
流行りの服を着ていなかったら本当にダサいのか?
そもそもかっこよくないといけないの?かっこいいって何?
今までのあたりまえをひとつひとつ再確認。

ホメオパシーというものは、
わたしにとってそういう存在です。
自分の思考と観察眼。
神的なものでもないし、それしかないとも思っていません。
お守りみたいなもので、何か身体のメッセージ(症状)があったときに対応できる術は、
他にもたくさん取り揃えておきたいと思っています。

こんにゃく湿布
イトーテルミー
チベット医学のスパイスミックス
アーユルヴェーダ
薬膳の陰陽五行、季節の養生食、
漢方薬
ホメオパシー
pipiki
などなど。
準備万端。
その中のひとつとしての、ホメオパシーです。
*これから上記のこともどんどん書いてきたいと思っています。


現物質が見当たらないくらいに希釈されていても作用はあるから、それがいい方向にもよくない方向にも影響があることがあると思います。
重度のアレルギーの方や過敏症の方も、そうそう簡単には使わない方がいい、と提唱する薬剤師のホメオパスの先生の講義も受けました。

あとは自分のオリジナルを作れる、尿希釈療法とか。

世の中には、いろいろ本当にまだ知らない世界がたくさんありますね。
ひとつだけ言えるとしたら、みんな良かれと思ってやっている、ということ。
偽りなく、魂の喜ぶことを
セルフケアのレベルで、みんな元気に逞しく、歳を重ねられたらいいですね!

(信頼できる友がいた事にも感謝しています)


五万とある情報の中から、これ、と思うヒントを手繰り寄せられる術。
それは人任せにしないで自分の実体験として味わって考えていけるようになるしかない気もするし
その中で一つの方法としてもし相性がよかったら、ホメオパシーを試してみるのもいいかもしれないと思うのです。
(ただしクラシカルホメオパシー)

マロン先生は現在新規のセッションは受けておられないはず。と思っていましたら
マロンさんよりお知らせいただきました。
新規セッションの受付状況について https://form.os7.biz/f/9b70aebc/
「お知らせ」にあるように、教育への協力を条件にセッションを承ることにされているそうです。
優秀なホメオパス育成のために奔走されています。
どんどんと良いホメオパスの方が増えられますように。

そして受ける側も無知識じゃなくて少し知っているくらいに認知度が上がってきたら、ちゃんとした情報が流れていくようになるんじゃないかなと、心より願っています。

この記事に関するご質問などは受け付けることができません。ごめんなさい。
この記事さえも、書きたいと思い始めてから2年近くかかってしまいました。
なかなか時間のやりくりが大変です。せめて書き記したい、という思いでした。


ちなみに
CHKの荻野哲也先生、荻野千恵美先生、松本美紀先生のスペシャルユニットでお送りします、
3回講座の最終回「流行病と健康」の開催をこちらに書いておきますのでご興味のある方はぜひ一度ご参加いただければと思います!
1度に3名のホメオパスにお会いすることができて、多様なお話を、今回はアドリブ中心に(たっぷりの内容はレジュメにて!)お送りいたします。初めての方も、そうでない方も。ぜひどうぞ!ZOOM参加や録画配信も行なっております。

ホメオパシー講座「流行病と健康」
第3回
日程:2022年12月13日火曜日
時間:10時半〜12時半
参加費:¥4500円
会場:さとう植物店
住所:京都市上京区紋屋町323三上家の路地東側
最寄り:京都市バス今出川大宮バス停より徒歩5分
*ランチは保存食ラボさんのオイルフリー弁当になる予定です。ランチ代は別途お支払いお願いいたします。

<予約受付>
12月13日ホメオパシー講座参加希望というタイトルで
1)お名前、2)連絡先、3)参加人数、4)ホメオパシー講座の参加履歴、5)ご希望の参加方法
をお書き添えの上、下記主催石川奈都子までお願いします。
 kannoichi.yoyaku*gmail.com

*印を@に変えてください。
こちらからの返信でお振込先をおしらせいたします。お振込完了した時点で予約受付となります。



日本にも漢方のような選択肢として
クラシカルホメオパシーが処方されたり認知されたりする時代がもう目の前に。
あくまで盲目にならずに慢心せず、目の前の今をしっかり自分で味わって
魂が喜ぶことを、考えてみるのはいかがでしょうか。
続けて世界の状況についてまとめた記事もこちらにリンクしておきますので併せてご一読いただければ幸いです。
「current status of homeopathy in japan」
______________________________

松本美紀さん
https://treeofchild.com/

クラシカルホメオパシー京都
https://www.chk-homeopathy.jp/

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