<令和4年度 小P連はぐくみ委員会全市交流会>
講演:「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」
〜子供の目線から親(保護者)の言動はどのように見えているのか、どのように感じているのかを探る〜
講師:吉村直記さん
(社会福祉法人みずものがたり理事/おへそグループ統括園長/公認心理師/保育士/幼稚園教諭/中学校高等学校教諭)
会場:京都市総合教育センター4階 永松記念ホール(zoom参加も可)
開催日:令和5年2月8日
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『講演を聴いて』
5歳で父を亡くした三兄弟の真ん中として幼少期を過ごされて、25歳から保育園の園長をされている吉村さん。
こんな叱り方をしていませんか?
「早く起きなさい」
「早くしなさい」
「片付けなさい」
「歯を磨きなさい」
「勉強しなさい」
「ゲームをやめなさい」
「早く寝なさい」
コレ、実は全然本人に響いていません!
大人も「いうこと聞かないならお金やらない」「家事してよ」「早くご飯作りなさい」
こう言われてやる気になりますか?
ガミガミ言ってしまう。叱り方がわからない。いうことを聴いてくれない。子育てに疲れている。自己肯定感が下がっていると思う。こんな人に講座をしてきたそうです。
1)こどもの「こころ」を考える
一枚の紙に描いた絵?を見せ、これ何に見えますか??と会場で質問。
一定数分かった方がいて、わからない方もいた。(私も)
わからない場合に。
「え?わかんないの?」「〇〇できないよ」
と言われたら。
内心焦る。ドキドキ。どうしよう。という気持ちになってくる。
つまり、
”大人の声がけの中で、些細なことも受け取っている”ということ。
2)私たちはどうして「叱る」「怒る」のか?
「怒り」(二次感情)
「心配、もどかしい、寂しい、不安、悲しい」(一次感情)
子どもたちは、困らせたいワケじゃない。!!!!
「楽しそうだから」←未来の原動力
*子どもの本能を止めるのは難しい
「いやだ」「ほしい」「やりたい」も
わがままを言ってるつもりじゃないんだ → 自己主張なのです!!
だから遮らずに「お母さんとどうやったらできるか考えてみよう。応援するから一緒に。」
というスタンスに。
3)「叱る」を再定義してみましょう
子供により良い行動に気づいてもらい、その行動を習慣化し、幸せに導くプロセス。
例えば
子供達がケンカした時。
「ごめんねって言いなさい」
「ごめんねって言ったから仲直り〜」っておかしくない?
ふたりでしっかり言葉で話してみてね、というと、10~20分で気が済んで仲直りしてる。
[ 何を言われるかより大人が何をしているかを見て覚えているんだ。こっそりね ]
!!!!大人の姿から子供は学んでる!!!
まねぶ(学ぶ)
“答えっていうのは、常に相手が持っている”
4)怒らないで子供に聞く方法、あります。
●人はダメと言われるほどやりたくなる。
「心理的リアクタンス」教育心理学者ジャックブレーム
「自由を制限されるとその自由を取り戻そうとする力が強化される」
*リアクタンス には「反発」という意味がある
実験の結果報告があります
A)小さい声で穏やかに叱る →22人中8人↓ 4人↑
B)大きい声で厳しく叱る →22人中0人↓ 14人↑
厳しく叱るほど、効き目がない。大きい声もうるさいよーと思うだけ。
少し静かに、トーンを変えて話すを効果的。
「対話的にルールを決める」
そして、叱るよりも結果を見せる!!
例)歯を磨きなさい!→ひどい虫歯の写真を、笑顔で見せる💓
◯厳しく叱るほど効き目があるというのは思い込み?
つまり、わーわー怒られると、子どもは(大人も?!)何も考えたくなくなるんだよね。
↓
ガミガミ言うと考えなくなる
↓
言いすぎるからやらなくなる
言われたらやればいいか、となってしまう。
*考える時間、話す時間が必要◎
●「絶対〇〇しないで」は逆効果?
何かを考えないように努力すれば、かえって頭から離れなくなる!!
「走らないで」より「歩きましょう」の方が効果的。
5)褒める叱り方、あります。
●怒るより褒める方が効く?
発達心理学エリザベスハーロックの計算テスト
できたところを褒める → 70%学力上昇
できなかったところを怒られる →20% 一瞬上昇してから低下
何もしない →5%上昇
◯人はレッテルどおりに行動する?
人は周囲からのラベリング(レッテル)どおりに行動、成長する。
子どもたちにどのようなセルフイメージを持ってもらうかが、重要!!
今してなくても、先褒めする。「あなたは素晴らしい」というとそうなる💓
いいラベルを貼ってあげる。掃除上手を言われた人はキレイにする。
<子供の心のポイント>
子どもの心や意見、存在丸ごと信じてあげることで、
解決できる事がたくさんあるのです。
*娘さんの話
日本の歴史を知らない子は日本人じゃないって言われた。
金閣寺も知らなかったから、私日本人じゃない〜と言うように。。
◎我が子のいいところを10個上げてみよう!できなければ短所を上げてリフレーミングしてみよう!!
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
●褒め上手になる5つの型「イ・オ・プ・カ・シ」
イイトコ褒め 良いところ褒める
オドロキ褒め 驚き笑顔で褒める
プロセス褒め 過程や努力を褒める
カンシャ褒め ありがとうねーと褒める
シツモン褒め どうやったらそんなに上手くできるのーー??と褒める
*できないことは強みだよ。
子どもたちの気持ちがよくわかるから、と先生たちには言っている。
6)子どもに気づいてもらう叱り方
●「WHY」ではなく「HOW」で問う?
言われなくてもやってくれないカナー(という親の気持ち)
答えを教えるのではなく、気づいてもらう方法
ティーチングとコーチング
WHY?(なぜ?)じゃなくHOW?(どうすれば?)を問う。
「なんでご飯をボロボロこぼすの?」→「だってこぼれるんだもん」(言い訳になる)
「どうすればこぼさないで食べられるかな?」→「机近づける?」「スプーン大きくする?」(アイデアになる!)
FUN TO GRO..VE(ごめんなさい自分の文字読めず)
「こども哲学」サポート段階を見極めつつ答えのない問いを投げかける。気づき、考える。動く◎
○4Hステップのすすめ
答えは教えず、サポート段階を見極める
親のサポートがどれ位必要かわかる「4Hステップ」
HOMERU できることを褒める
HOW どうすればできる?と問う
HINT (どうするんやったっけ?)こうしてごらんとヒントを出す。→自分で気づけたね、と褒める
HELP 最低限ヘルプ出しながら一緒にする
「穏やかに自分でやってもらう」
7)「信じる」という子育て
●見守る保育三省
*子どもの存在を丸ごと信じたか?
*子どもに真心を持って接したか?
偽りのない心で子どもを主体として見守る
*子どもを見守る事ができたか?
子どもを信じ真心を持つ事で初めて見守る事ができる
「信じられることで自信になる」
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*質問 (夫婦で子どもへの想いが違う場合)
子どもも一緒に家族会議をする
それぞれの気持ちを話す
子どもに聞く
「お互いの気持ち、考えも大切」という気持ちが大切。という前提で。
基本夫婦のルールは決めた方がいい
でも子どもたちはそれぞれの特性とあわして対応していく!
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以上、拙いまとめですが参考になりましたら幸いです。
詳しくは、
吉村直紀さん「どうせならもっと上手に叱ってくれない?」をぜひご覧ください。
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%82%89%E3%82%82%E3%81%A3%E3%81%A8%E4%B8%8A%E6%89%8B%E3%81%AB%E5%8F%B1%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84-%E5%90%89%E6%9D%91-%E7%9B%B4%E8%A8%98/dp/4799110063/ref=asc_df_4799110063/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=529648193742&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=14410039131097575671&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009507&hvtargid=pla-1455408589362&psc=1&mcid=9074c64939e53cb288c9f4f3fca59b19&th=1&psc=1
2023年4月25日 大原学院(二児の母)坂井奈都子